現在の時給に不満を持つ方は、時給交渉をしてみてはどうでしょうか?この記事では、時給交渉の実情、時給交渉のやり方、時給交渉を有利に進める方法などについて紹介します。
時給交渉の実情
実査に、どの程度の派遣社員が時給交渉をしているのでしょうか?
時給交渉した方は全体の2割
エン・ジャパンの調査によると、時給交渉をした方は2割、交渉せずに、時給がアップした方は9%、時給交渉せず時給も上がらなかった方は、約7割でした。
時給交渉をしたら、時給がアップした | 7% |
時給交渉をしても、時給がアップしなかった | 13% |
時給交渉をせずに、時給がアップした | 9% |
時給交渉をせず、時給もアップしなかった | 72% |
結局、派遣社員の中で時給交渉をした方は全体の2割となり、やや控えめな数字といえます。派遣業務により会社に時給以上により貢献したと考える、上位の派遣社員(約2割)の方が時給交渉に臨んだともいえます。
時給交渉の成功率は35%
また、同調査によると、時給交渉をして時給が上がった方は35%、時給交渉をして時給が上がらなかった方は65%となっています。つまり、時給交渉に成功した方は全体の35%となります。仮に時給交渉をしない場合、時給が上がる可能性はレアケース(9%)であるため、時給に不満を持つ方は、時給を上げるためには時給交渉に臨んだ方が良いでしょう。それに成功率35%は、決して低くない成功率ともいえます。
時給交渉の最適なタイミング
時給交渉のタイミングはいつ時点で実行すればよいでしょうか?
例えば、以下のようなタイミングが時給交渉に最適なタイミングとなります。
・自分の仕事が会社にある程度貢献している場合
・正社員以上の働きをしている場合
・自分の替えがきかない場合
・自分の職種の時給相場より低い場合
契約と異なる職場環境に就業時も時給交渉に最適なタイミング
また、派遣社員として派遣先会社で働き始めた場合に、自分の想像していた職場と異なっていた場合、特に当初の派遣契約とは若干異なる場合も時給交渉の最適なタイミングとなります。つまり、派遣先の職場環境が、自分が当社契約した職場環境と異なっている場合、その旨を担当者に伝えることで、時給を上げてもらえるケースがあります。この場合、時給を上げるから、当初と異なった職場環境には我慢してしてね、という考えに基づいて、時給が上がるケースとなります。
時給交渉に最適な時期は、派遣の更新時期
通常、派遣契約をして派遣先で働く場合、一定期間ごとに派遣時期(例えば、3か月ごと)を更新することになります。この派遣契約の更新時期が、時給を上げる最適なタイミングになります。逆に、更新時期以外で時給を上げる交渉を行うのは、かなりレアケースといえるでしょう。
時給交渉で守るべきの手順
時給交渉の手順のポイント、流れについて紹介します。
派遣元の担当者に時給交渉する
通常、時給交渉をする際の相手は、派遣元の担当者との交渉になります。間違っても、派遣先の会社に対して直接、時給交渉をするのは、避けるようにしましょう。なぜなら、派遣契約における直接の雇用先は派遣元会社であり、また、派遣元企業の担当者の知らないところで時給交渉が行われるのは、好ましくないからです。
時給交渉の流れ
派遣元の担当者に時給交渉をした場合、どのように時給が上がるのでしょうか。
1つは、派遣元の会社が、時給を上げてくれるケースがあります。この場合、派遣元の担当者と時給up交渉をすると、派遣元の担当者は、特に派遣先会社と時給交渉をせず、派遣元会社が自腹を切って上げてくれるケースがあります。
具体的には、以下のような流れになります。
1. 派遣社員が派遣元の担当者に時給交渉
2. 派遣元の担当者が時給を上げる
もう一つは、派遣先会社が時給を上げてくれるケースです。
1. 派遣社員が派遣元の担当者に時給交渉
2. 派遣元の担当者が派遣先企業に時給交渉
3. 派遣先企業が時給を上げる
このケースでの注意点は、派遣先企業が100円時給を上げてくれたのに、派遣社員の時給が20円しか上がらない等のケースがあります。残りの80円は派遣元企業がマージ料金として、せしめてしまいます。このような状況を防ぐためには、派遣元の担当者との時給交渉時に時給希望額を述べた方がよいでしょう。
時給交渉のアップ額はどの程度か?
時給交渉する際、どの程度の額をアップさせるべきでしょうか。もし、自分が会社に必要とされていると感じている場合や替えが利かなそうな場合、思い切って100円~200円アップの時給交渉をするのも一つのやり方です。
100円以内の時給up額が全体の約8割
ちなみに、通常の派遣社員は時給交渉でどの程度のup額を要求しているのでしょうか?
派遣大手のエン・ジャパンの調査によると、10~50円が54%、50円~100円が23%となっています。つまり、100円以下の時給up交渉が全体の約8割弱を占めていることになります。
時給を大幅にupさせる戦略とは
戦略1:時給の少額up(100円以内)を複数回行う
上記のデータによると、100円以下の時給up交渉が全体の約8割弱であることから、例えば、半年や1年ごとに、50~100円ずつ時給を上げていくやり方です。例えば、半年おきに50円ずつ時給をアップさせることで、3年で約300円の時給upになります。この時給の少額upを複数回行うのが時給アップの常套手段となります。
戦略2:一気に200円以上の大幅時給upを狙う
時給を200円以上アップさせる成功率は、平均成功率35%を下回るかもしれませんが、派遣先会社の売り上げに相当貢献していると考える方や時給相場よりはるかに低い方は、200円以上アップに挑戦するのも一つです。
仮に、200円アップに成功しなくても、100円や50円程度、時給を上げてくれるかもしれません。時給50円upというと少額のようですが、1か月間160時間労働で、約8000円のアップになり、交通費ば浮いたり、ちょっとした贅沢も可能になります。
時給交渉を有利に進めるやり方
時給希望額を明示する
派遣元担当者との時給交渉時に、希望時給額を明示しない場合、時給up額が予想より少ないケースがありえます。また、派遣元担当者との時給交渉の結果、時給がアップした場合でも、派遣先企業が時給を100円upして、派遣社員の時給が30円しかアップしないケースもよくあります。この場合、70円の時給マージを派遣元会社がせしめることになります。
このように、時給希望額を明示しない場合、不利な状況になりやすいため、派遣元担当者との時給交渉時には、時給希望額(例えば、100円アップ)を明示するようにしましょう。
有利な交渉材料をそろえる
時給交渉時には、有利な交渉材料をそろえた方が、もちろん時給交渉の成功率は上がります。例えば、自分は、派遣先会社にかなり貢献していることを主張したり、他の派遣会社では時給はもっと高いこと伝えて、時給交渉を有利に進めましょう。また、自分の職種の平均時給を調べてみるのも一つのやり方です。自分の時給が平均時給よりかなり低い場合、時給交渉により時給アップする可能性が高まります。
次は更新しないと強気に出る
また、現在の派遣先企業に特に未練はなく、次の派遣先企業を探しても良いような場合、時給額を上げなければ、次回の派遣契約を更新しないと、強気に出るのも常套手段です。この場合、時給が上がらなければ、派遣契約が終了してしまい、派遣元の売り上げも下がってしまうことから、派遣元の担当者の必死になって派遣先企業と時給交渉をしてくれるはずです。つまり、時給交渉の成功率が上がるといえます。
時給交渉の心配事
時給交渉により派遣契約を切られる心配はなし
時給交渉により派遣契約を切られる心配は、ほとんどないと考えてよいでしょう。
確かに、時給交渉をする場合、派遣元の担当者や派遣先企業の心証は、売り上げが下がるので、良くないと言えます。しかし、派遣元から見た場合、派遣社員が一人でも多くいた方が、売り上げが上がるため、時給交渉により派遣契約が打ち切られる心配はまずないといえます。
また、約2割の派遣社員が時給交渉をした経験があることから、現在の時給に不満がある場合などには、強気になって、どんどん時給交渉をしていきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?派遣社員の全体の約2割が時給交渉を行い、成功率は35%となっています。時給交渉は比較的に普及しているとも言えるため、時給に不満のある方、派遣先会社に貢献していると考える方は、是非、時給交渉に挑戦してみましょう。