紹介予定派遣では、約6か月の派遣先の業務終了後に、派遣先企業と派遣労働者の合意が成立した場合、直接雇用契約が結ばれます。この直接雇用により、派遣労働者は、正社員や契約社員として働くことになります。
この場合、紹介予定派遣社員が、正社員と契約社員等になれる割合はどの程度なのでしょうか?現在、公表されているデータをまとめました。
紹介予定派遣により正社員になれるとは限らない
紹介予定派遣で所定期間(最大6か月)が終了し、派遣労働者は派遣社員は、派遣先企業に直接雇用されることになります。この直接雇用の形態は、以下の3種類があります。
・正社員
・契約社員
・アルバイト・パート
つまり、紹介予定派遣の場合、必ずしも正社員になるとは限らず、場合によっては、契約社員やアルバイト・パートとして直接雇用されるケースもあります。
もっとも、試用期間後に正社員になれるかどうかは、紹介予定派遣の求人情報に明記されています。仮に正社員に限定したい方の場合、正社員になれる紹介予定派遣の求人に応募するばよいことになります。いずれにせよ、紹介予定派遣の求人にエントリーする際は、必ず正社員登用か契約社員登用かを確認した方が良いでしょう。
正社員と契約社員の割合は?
紹介予定派遣での試用期間後に正社員になる方と契約社員等になる方の割合はどの程度でしょうか?以下では、3つの調査結果について紹介します。
独立行政法人 労働政策研究・研修機構の調査結果
労働政策研究・研修機構の調査結果は以下の通りです。
正社員・・・57.8%
契約社員・・・34.4%
パート・アルバイト・・・3.6%
(引用元:紹介予定派遣の理想と現実)
まとめると、紹介派遣を利用した場合に、正社員になる確率は約6割、契約社員になる確率は約3割といったところでしょうか。パート・アルバイトの割合はわずか3.6%であり、直接雇用により派遣先企業にパート・アルバイトとして働き始めるケースはほとんどないことがわかります。
はたらこねっとの調査結果
はたらこねっとの調査では、紹介予定派遣として働いた方のうち、26%が正社員になっています。また、22%が契約社員、11%がアルバイト・パートになっており、残りの41%が、直接雇用されていないことになります。
整理すると、直接雇用された方のうち、44%が正社員、37%が契約社員、19%がパート・アルバイトになっています。
(引用元:紹介予定派遣について(はたらこねっと))
※はたらこねっとのデータ
エン派遣の調査結果
エン派遣の調査結果では、直接雇用となる際、約53%の方が正社員、47%の方が契約社員になっています。
(引用元:紹介予定派遣の実際(エン派遣))
まとめ
いかがでしたでしょうか。紹介予定派遣から直接雇用に切り替わる方のうち、正社員の割合は約5割、契約社員になる割合は4~3割、アルバイト・パートになる割合は、約1割程度となります。アルバイト・パートは微妙ですが、正社員や契約社員になった場合には、雇用の安定性が、通常の派遣社員より確保されていると言えます。