派遣の契約形態には、常用型派遣、登録型派遣、紹介予定派遣の3種類がありますが、正社員になりたい方には、特に紹介予定派遣がお勧めです。紹介予定派遣として一定期間、派遣先企業に勤務し、派遣先企業が合意してくれれば、晴れて派遣社員から正社員になることができます。

紹介予定派遣とは

紹介予定派遣では、派遣先に直接雇用されることを前提に一定期間（試用期間）、派遣社員として働き、試用期間の終了時に、派遣先企業と本人が合意した場合、正社員等として採用されます。

この派遣先に勤務する期間は最大で6カ月であるため、派遣先での業務開始後、6カ月以内に必ず正社員等として採用されるかどうかがわかります。

紹介予定派遣の流れ

紹介予定派遣として正社員になるまでの具体的な流れは以下のようになります。

①求職者が「紹介予定派遣」の求人に応募します。

②書類選考と面接に通過すると、派遣先会社に派遣社員として所定期間（最大で6か月）勤務します。この勤務中の派遣社員の雇用元は、この時点では、派遣先会社ではなく派遣元会社となります。

③所定期間（最大で6か月）経過後、派遣先会社と派遣社員の双方の合意により晴れて、派遣先会社へ直接雇用されて晴れて正社員になります。この際、給料や福利厚生等の条件が派遣社員に提示されることになります。一方、派遣社員は、職場の環境が自分に合わない等の理由で、派遣会社からの正社員の申し出を断ることもできます。

紹介予定派遣のメリット

正社員になれると雇用の安定性が確保できる

紹介予定派遣の最大のメリットは、もちろん正社員になれることです。紹介予定として所定期間終業後、派遣先と直接雇用契約を結びますが、この直接雇用契約とは、厳密には、正社員に限らず、契約社員の場合もあります。

しかしながら、紹介予定派遣の求人条件に直接雇用の形態が必ず明記されているので、正社員のみになりたい方の場合、正社員として直接雇用する、紹介予定派遣の求人のみに応募するようにします。

また、紹介予定派遣では、正社員や期間に定めのない契約社員の場合、法的にはご存知の通り、日本の場合非常に解雇しにくいシステムになっています。このため、通常の派遣社員のように三カ月毎の更新に悩まされることもなく、正社員や契約社員は雇用の安定性が確保されることが最大のメリットと言えます。

自分に合った職場を選べる

紹介予定派遣では、試用期間が終了後に、派遣社員自身も実際に直接雇用するか否かを判断することができます。このため、就業期間中に、職場の人間関係や職種が自分に合っているかどうかを、じっくりと判断することができます。もし職場が自分に合わなければ、試用期間終了後に直接雇用を辞退できます。このため、職場のミスマッチを防止でき、自分の好みに合わせて職場を選べるのは紹介予定派遣のメリットとなります。

紹介予定派遣のデメリット

必ずしも正社員とは限らない

紹介予定派遣の期間が経過して、直接雇用を結ぶ場合、直接雇用形態は、必ずしも正社員とは限りません。一般に直接雇用形態には、正社員、契約社員、アルバイト・パートがあります。直接雇用として、アルバイト・パートになる可能性はかなり低いですが、正社員、または契約社員になる割合は、50%程度とのデータがあります。

また、紹介予定派遣の派遣先の求人情報に、直接雇用の形態が必ず明記されているので、求人に応募する際、どの雇用形態（正社員、契約社員、アルバイト・パート）かを必ず確認するようにしましょう。特に、正社員になりたい方は、紹介予定派遣の派遣先の求人の中から、直接雇用の形態が「正社員」の求人を選ぶようにしましょう。

いずれにせよ、正社員、契約社員の場合、雇用の安定性に関しては、一般に3カ月ごとに更新期間がくる派遣社員よりははるかに雇用が安定していることは間違いないと言えます。

面接のハードルが高い

紹介予定派遣の面接では、最終的に正社員等として雇うため、通常の派遣社員の面談よりはかなりハードルが高くなります。つまり、紹介予定派遣の面接は、通常の派遣社員の面接よりかなり狭き門となります。一方で、面接を通ると、正社員等になれる確率は、かなり高まるとも言えます。

また、紹介予定派遣のハードルが高いといっても、正社員の面接よりはもちろんハードルは低くなるため、正社員になるよりは、一般にハードルは低くなります。

まとめ

いかがでしたでしょうか？紹介予定派遣の最大のメリットは正社員になれることです。会社に正社員として直接雇用されることで、雇用の安定性が確保できるのが紹介予定派遣の魅力となります。